日本円と米(アメリカ)ドルのおはなし
「対ドルの円相場は一時160円台に下落...」ニュースでも耳にする方も多いのではないでしょうか。「日本に暮らしてドルでお金を払うこともないのに、なにがそんなに関係あるの?」今回は、実は意外と身近な「米ドル」についてのおはなしです。
「為替」とは?
為替とは、一般的に「外国為替」のことを指し、日本円、米ドル、ユーロ、中国元など異なる通貨を交換する時の基準となる比率です。その中でも、最も広く使われている米ドルを基軸通貨と呼び、1米ドルに対して日本円はいくらで取引できるのかという指標になっています。
「円高」「円安」はなぜ起きる?
為替相場は需要と供給のバランスによって変動します。例えばスーパーに売っている野菜も、買いたい人(需要)が多ければ値段は上がり、売りたい量(供給)が多ければ値段は下がります。外国為替では、お金でも同じことが起きるのです。1米ドルの価値が上がる(ドル高)と交換する日本円がもっと必要(円安)ということになります。
通貨の需要は、金利や発行する国の経済状況などによって、その通貨にどれだけお金が集まるかが影響しています。
ちなみに、最近は円安ドル高と言われていますが、第2次世界大戦中である1944年から始まった国際的な通貨の枠組みである「ブレトンウッズ体制」下では、1949年4月以降1米ドル=360円の固定相場で一律決まっていました。その後も経済状況に応じて変更を繰り返し、現在の変動相場は1973年2月から適用されています。
どんな影響があるの?
同じ1米ドルを交換する価値に変動があることで、海外に取引を持つ企業や日本と海外を行き来する観光客、食料品や原材料の多くを輸入に頼る日本では、様々なモノの値段が影響を受けることになります。
円安について海外旅行を例に考えてみましょう。
同じことをするにも以前より多くの費用がかかってしまいます。
では企業ではなにが起こるでしょうか。
同じモノを販売しているのにもかかわらず、大きな利益となりました。
米ドルのなにがいいの?
最近は円安ドル高、つまり米ドルの価値が上がっているわけですが、米ドルのなにが良くて価値が上がっているのでしょうか。米ドルの価値が上がる要因は様々ありますが、大きな理由の一つは金利です。例えば日本のメガバンク3行の外貨定期預金(米ドル)の金利は4.50~4.60%(期間1年:条件あり)(2024年6月10日現在)と日本円定期預金金利0.025%(2024年6月10日現在)に比べると大きく差が開いています。高い金利で運用することで利益を狙うことができます。
また、米ドルの価値が上がるということは、反対に日本円の価値が下がるということになります。資源の多くを輸入に頼る日本にとっては、日本円だけの貯蓄では海外の値段の上昇についていけないリスクがあるため、近年では米ドルを取り入れた運用商品も増えました。米ドルを使った運用には、外貨預金のほか、保険、投資信託などもあります。
まとめ
今回は「米ドル」について解説してきました。私たちの生活にも知らず知らずのうちに大きく関わっていますね。「円安によって物価があがる」ことも正しいのですが、「高い金利で運用できる投資環境」というのも事実です。為替の仕組みを知って、米ドル(外貨)も味方にしていけるといいですね。
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